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港都KOBE芸術祭|神戸開港150年記念、神戸、芸術、アートの祭典

ART WORKS / ARTISTS作品・出展作家

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shakkei - kobe port
150年の水をすなど
Gathering the water imbibed with 150 years of history
良港の条件は幾つかあるだろう。風を避け、波を除けるに適した地形の津であること。波止場の水深が深いこと。そして何より良質の水を豊富に提供できることが、最重要の条件であるに違いない。長い船旅には大量の水が欠かせないからである。神戸の水は味良く腐りにくいという評判が、海を越えて来る船乗り達の間には行き渡っていたらしい。確かに神戸の水は旨い。古くから兵庫に酒造りが盛ったのも、豊富で旨い宮水が有ったからにほかならない。旨い水は船乗りや杜氏を呼び寄せるばかりでなく、この地に生きる人達の日々の暮らしを支える基盤であった。水の得られぬ土地に人は住めない。22年前の夜明けに、多くの命を奪った阪神・淡路大震災の時にも、人達は家族友人の安否を気遣いながら先ず水を求めた。そして多くの井戸が惜しむことなく皆に供され、水の存在と人の思いやりに、皆手を合わせたに違いなかった。港が開かれて150年、神戸の水は150年分の船乗りの乾きを潤し、数えきれぬ人達の生活と命を繋いできた。今150年の水に想いを馳せ、支えられてきた旅と生活と命の膨大な記憶を紡ぐ作品を作ろうと思う。150個のガラスの器は水を生む果実のメタファーであり、掌を寄せて合わせた形の舟は、人の営みの象徴でもある。明るい光にきらめくガラスと水、海と空に漕ぎ出す舟の影が、無数の記憶と物語を紡ぎ出して行って欲しいと願う。
作品展示場所
07

係船杭(南側)

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小清水 漸
1944年愛媛県(宇和島)生まれ。1966年から1971年まで多摩美術大学彫刻科在籍。京都市立芸術大学名誉教授。前宝塚大学学長。1999年京都府文化賞功労賞受賞。2004年紫綬褒章受章。現在は京都と大阪を拠点に活動している。1960年代後半から木、石、紙、土、鉄などを用い、素材間の関わりを重視した作品を制作してきた。1970年前後の美術運動「もの派」の中心的アーティストであり、ヴェネツィアやサンパウロのビエンナーレ展をはじめ国内外の展覧会で活躍している。